Fryette PS-2 PowerStationは、高品位なアッテネーターとパワーアンプが1つになった多機能ロードボックスです。入力するアンプのトーン、ダイナミクスを損なうことなく忠実に出力するのはもちろんのこと、豊富な入出力系統とコントロールによる拡張性も魅力です。


接続したアンプの音質を変えることなく、音量だけを下げて出力するアッテネーター的な使用法ができる「リアクティブロードモード」のほか、プリアンプやアンプシミュレーターから入力した信号を増幅する「パワーアンプモード」も用意されています。LINE OUTから出力した信号をミキサーやオーディオインターフェイスに入力することも可能であるほか、FXループも搭載されており、ロードボックスに必要な機能が全て詰め込まれています。


前機種のPS-1からは様々な点でモディファイが行われており、その中でも注目すべきは「サイレントレコーディング機能」です。PS-1ではアンプを接続する際にはスピーカーも併せて接続しておく必要がありましたが、PS-2はスピーカーを接続することなく使用することができます。
また、LINE OUTの機能もさらなる充実が図られています。XLRバランス端子が追加されたほか、出力する信号のレベルをコントロールする「LINE OUT」ノブが追加され、拡張性が高まりました。
入力するデバイスによってレベルを切り替える「INPUT LEVEL」ボタンも追加され、ボリューム・コントロールがより容易になりました。


「EDGE/BRITE/FLAT」トグルスイッチは、高音域（トレブル、プレゼンス）のレスポンスを決定し、サウンドの存在感、透明感に影響を与えるスイッチです。大音量時にはFLAT、ライブやレコーディングにおいて高音域の刺々しさが気になる場合には、BRITEに設定するといいでしょう。

「DEEP/WARM/FLAT」トグルスイッチは、低音域のレスポンスを決定し、サウンドの深みに影響を与えます。大音量時には「EDGE/BRITE/FLAT」スイッチと同じくFLATに、低音をもう少しだけ付加したい、という場合にはWARMに設定します。

「INPUT LEVEL」スイッチは、入力する信号に合わせてボリューム・コントロールの適用範囲を決めるスイッチです。ハイパワーなアンプの場合はHIに、ローパワーなアンプの場合はLOにすると、適切なサウンドが得られます。

「VOLUME」ノブで音量を、「PRESENCE」ノブ、「DEPTH」ノブでパワーアンプ・ステージのハイエンド、ローエンドの周波数特性をそれぞれ設定します。


背面の入出力端子も豊富で、アッテネーター的な用途からレコーディングでのライン・アウトまで、多岐にわたって対応します。

入力端子である「LINE IN」には、プリアンプやアンプのLINE OUTからの信号はもちろん、ギタープロセッサーやiPhoneまで、様々なソースからの信号を入力することができます。出力についても柔軟で、「LINE OUT」ノブで出力レベルを調節することができます。

また、FXループが搭載されているのも魅力的です。回路は入力されたロードアンプの後段、パワーアンプの前段に配置されているため、一般的なギターアンプのセンド・リターンと同じように使用することができ、センド・リターンのないアンプにFXループを増設したような感覚で扱うことができます。

「FX LEVEL」ボタンをループ内の信号のレベルによって「HI」と「LO」の2つから選択することで、適切なサウンドが得られます。LINEレベルの入力（+4~0dB）にはHIポジションを、ギターレベルの入力（-10~-20dB）にはLOポジションが適しています。また、LOポジションにした状態で「FX RETURN」にギターやベース、キーボードなどを接続することで、ジャズなどに向いたウォームなクリーン・トーンを得ることもできます。