対応機種と互換性

PROFILER Remote Mk2は、Kemperの主要4モデル──Head、Rack、Power Head、Power Rack──およびProfiler Playerに対応しています。接続は従来どおりイーサネットケーブル1本で通信と電源供給を兼ねる設計で、最長100mまで安定動作します。

特筆すべきは、MK1本体とMK2 Remoteの相互互換性が確保されている点です。既存ユーザーも買い替え順を気にせず導入でき、安心感があります。

主な特徴

操作体系

5つのリグ選択スイッチと4つのアサイナブル・エフェクトスイッチを搭載。楽曲ごとのパフォーマンスセットを即座に呼び出すことができ、足元だけで完全なトーンコントロールを行えます。さらに、チューナー、タップテンポ、ルーパー専用ボタンを独立配置。特にルーパー機能はMK2シリーズで2分間の録音が可能になり、フレーズ練習から即興演奏まで対応範囲が広がりました。

また、外部エクスプレッションペダルを最大4系統接続でき、ワウ、ボリューム、ピッチなどを自在にコントロール可能。電源供給は本体から行われるため、ペダルボードの配線もシンプルにまとめられます。

リモートのプログラミング

PROFILER Remote Mk2の最大の魅力は、「複雑なMIDI知識が不要なプログラミング性」にあります。
Kemper本体側の「Performanceモード」で各バンクに最大5つのリグを登録し、Remoteの5つのスイッチに自動的に割り当てられるため、ユーザーはステージ単位・曲単位でリグ構成を組むことができます。

また、4つのアサイナブルスイッチには、エフェクトのON/OFFだけでなく任意のパラメータ操作（例：Morph開始、Delay Mix変更、リバーブレベル増減など）を直接マッピング可能です。さらに、Remoteで設定したアサイン情報はProfiler本体に保存されるため、別のRemoteを接続しても設定をそのまま継承可能です。ライブ現場での入れ替えやレンタル機材使用時にも柔軟に対応できる点は、プロ仕様として大きな利点です。

MK1 Remoteとの違いと新要素

MK2 Remoteは見た目こそ旧モデルと近いものの、内部設計とインターフェースがアップデートされています。まず、ディスプレイの視認性が向上し、明るいステージ環境でもスイッチ状態が明確に確認できるようになりました。また、MK2シリーズで拡張されたエフェクトブロック数（最大20）に合わせて、より多彩なアサイン設定をサポート。ルーパー機能の刷新（録音2分・リバース・ハーフスピード対応）も大きな変更点です。

さらに、今後のKemperファームウェアアップデートで追加予定の「新プロファイリング技術」にも対応予定とされ、将来的な拡張性を重視した設計となっています。単なるリモート操作端末にとどまらず、Kemperシステム全体の進化を支える重要なハブとなるでしょう。

想定ユーザーと導入シナリオ

PROFILER Remote Mk2は、単なるフットボードではなくライブでKemperを使い倒すプレイヤー向けのプロツールです。特に、Head/Rackユーザーでリグを複数使い分けるプレイヤー、Morphやルーパーを多用するギタリストに最適です。

一方で、MIDIコントローラーで代用してきたユーザーにとっても、電源いらず・ワンケーブル接続・完全同期表示といった利便性は大きな魅力です。ツアー現場での設営時間短縮やトラブルリスク低減は、日常的にライブを行う中級〜上級ギタリストにとって決定的な価値を持ちます。