《状況別のおすすめ》ギターアンプの選び方

エレクトリックギターはアンプとシールドで繋いで初めて音が出る楽器です。良いアンプに繋ぎさえすれば、ギター本体の質を問わずそこそこ聴ける音になる、とはよく語られる話です。それぐらいアンプの果たす役割は大きいということであり、エレクトリックギターの音色の根幹をなす心臓部分ということも出来ます。ここでは、様々な用途やシチュエーションに適したアンプを見ていきましょう。

自宅で使う

ホームユースであれば、100Wを越えるような大音量モデルはオーバースペックになりがちです。通常の部屋では5W程度でも十分で、防音室などがあり多少の音量が大丈夫であれば30Wぐらいのものを選んでも良いかもしれません。真空管アンプなどはある程度の音量で鳴らさないと本領を発揮できないというのもあり、必然的に小~中音量を中心としたラインナップとなります。

最初の一台エントリーモデル

次のページでは、初心者向けの最初の一台に適したものをピックアップ。価格帯も手の届きやすいものを中心にセレクトしています。

おすすめの小型ギターアンプ – エレキギター博士

色々なサウンドを試したい…「モデリングアンプ」という選択

様々なサウンドキャラクターを一台に多数収めたアンプを特に「モデリングアンプ」と呼びます。モデリングアンプは複数のアンプキャラクターを、ほとんどの場合デジタル処理で擬似的に作り出しています。

一般的なモデリングアンプでは少なくとも3~5種類以上のアンプキャラクターを搭載しているのが普通で、クリーン~クランチ~ディストーションまで、ゲイン幅や音質によってそれぞれ別のサウンドに切り替えられます。多いものでは10種を越えるキャラクターを持つモデルもあり、ジャンル毎に色とりどりのサウンドを使うことが出来ます。各社ダイヤル周りの表記は様々ですが「Blues」「Metal」などのジャンル名が書いてあるものは初心者でも比較的分かりやすいと言えます。また、「Tweed」「Blackface」(フェンダー系)、「Brit 800」「Plexi」(マーシャル系)など、歴史的に各ブランドの代表機種を彷彿させる名称が表記されていることも多く、こちらは元となるアンプをある程度知らないと、名前だけで音色の連想がしにくいかもしれません。

あくまでも音色を七変化させる仕様のため、逆に言うとアンプそのものの個性が薄く、アンプの個性が強く求められる最上位機種にはラインナップされません。エントリーモデルから中級機の価格帯において数多くラインナップされ、ギターアンプという製品のカテゴリ内において無視できない数になっています。多数のモデルを切り替えられる汎用性の高さは他にはない長所であり、同時にディレイやコーラスなどのエフェクトが付属している事も珍しくありません。

《一台で複数のアンプ&エフェクト・サウンドを》モデリング・アンプの魅力 – エレキギター博士

手軽に真空管サウンドを楽しみたい

真空管のサウンドはギタリストの憧れです。一昔前までは真空管搭載は高級機モデルの代名詞的スペックでしたが、昨今、小型練習用アンプにも真空管搭載のものが増えてきました。ここでは15W以下の小型真空管アンプをピックアップしました。主に練習用として大きな助けとなりそうです。

Blackstar HT-5R

Blackstar HT-5R

小型真空管アンプのカテゴリに先鞭を付けたBlackstarの銘アンプ。12インチのスピーカーを搭載し、真空管モデルならではの暖かいクリーントーンから、ジューシーな歪みまでを小型ながらに不足なく備えています。練習用のための外部入力を配し、ステレオのリバーブを搭載。独自のISFコントロールにより、アメリカン(フェンダー系)からブリティッシュ(マーシャル系)までの音質変化を楽しめるところは、Blackstar社に共通した仕様です。
Blackstar HT-5R

Bugera V5 Infinium

Bugera V5 Infinium

安価で有名なドイツのベリンガー社におけるギターアンプブランドBugeraの小型チューブアンプ。小型ではあっても、クラスA回路のフルチューブアンプとなっており、練習用としては申し分ない音質を持っています。リバーブを搭載しているものの、外部入力などはなく、コントロールもゲインとトーン、ボリュームの潔い仕様で、音に特化したシンプルな形をとっています。パワーコントロールを持っており、5W~0.5Wまで出力を変えられるので、夜の練習も安心。
Bugera V5 Infinium

VOX AV15

VOX AV15

プリ、パワー管ともに12AX7を採用したVOXの小型チューブアンプ。チューブアンプを謳っていながら、音色の幅が極めて広く、アナログ・プリアンプ回路を使った8種類の音色を持ち、エフェクトも搭載。外部入力やキャビネット・シミュレーターが付属したヘッドフォンアウトにエフェクトループなど装備は多岐に渡り、小型チューブアンプの世界でも全部入りを目指したモデルと言えます。練習用として何でもできる汎用性を持ちながら低価格なのも魅力。上位モデルのAV30、AV60もラインナップ。
VOX AVシリーズ

Fender Bassbreaker 007

Fender Bassbreaker 007

フェンダー社が2000年代に入り、新しくラインナップしたBassbreakerシリーズのもっとも低出力なモデル。10インチのセレッション製スピーカー、プリ管に12AX7が二本、パワー管にEL84を搭載。いわゆる初心者練習用アンプではないので、外部入力などはなく、代わりに外部スピーカーを使えるスピーカーアウト端子やフットスイッチ端子を装備します。トレブル・ブースターにより華やかなクリーントーンから強力なオーバードライブまでを実現し、いずれも本格派を唸らせる音質です。一息に安いとも言い切れない価格ですが、フェンダーの矜持が詰まったアンプであり、ツイード調のルックスや背面からうっすら見える真空管など、高級感ある仕様はギタリストならば家に置いてみたいと思うことでしょう。
Fender Bassbreakerシリーズ

Ibanez TSA5 TVR

Ibanez TSA5 TVR

60年代の雰囲気を纏ったアイバニーズの真空管アンプ。TVフロントと呼ばれるこの外観は最初期のフェンダーアンプを彷彿させ、サウンドもアメリカンな乾いたものとなっており、ヴィンテージ志向を強く感じさせるものです。内部にチューブスクリーマー回路を搭載し、それをオンにすることで、中域を強調したジューシーな歪みが得られます。こちらも上記のBassbreakerと同じく、初心者向けの練習用とは言えない仕様で、ヘッドフォン出力こそありますが、外部入力などはありません。
Ibanez TSA5 TVR

少し大きな音が出したい

部屋に防音室などがあったり、隣の家が離れているなど、少し大きな音を出しても大丈夫という環境であれば、20W以上のモデルを選んでもその本領を発揮できそうです。出力を落とすパワーアッテネーター搭載モデルであれば、夜間のみ出力を落とすといったことも可能です。

Marshall CODE25

Marshall CODE25

マーシャルがオーディオソフト会社Softubeと組んで開発したデジタル・モデリングアンプ。歴代の代表的マーシャルアンプがほとんど網羅され、キャビネットまで任意に選択可能。エフェクトとアンプモデルとキャビネットを選択して鳴らす仕様は、アンプシミュレーターをアンプ内部に組み込んだような設計で極めて現代的です。マーシャルのサウンドをマーシャル社そのものがデジタルで追求しているだけあって、サウンドは折り紙付き。オーディオIF機能なども備えており、幅広く使えるアンプとなっています。50Wの上位モデルCODE 50もラインナップ。
Marshall CODEシリーズ

BOSS KATANA 50

BOSS KATANA 50

ローランドがBOSSブランドで送るモデリングアンプ。5種類のアンプキャラクターに55種類のエフェクトを搭載した、マルチな一品です。音色のメモリーに対応し、フットスイッチで呼び出せる仕様など、まさにマルチエフェクター内蔵とも言えるもので、練習にライブにと用途を問いません。外部機器との連携も、エフェクトループ、外部出力端子、USB端子など幅広く装備し、パワーコントロールを使い0.5Wまで落として鳴らすことも可能。5種のアンプモデルの中にはアコースティックギター用まであり、まさに死角のない「全部入り」を実現しています。
BOSS KATANAシリーズ

Roland JC-22

Roland JC-22

ローランドの銘アンプ、ジャズコーラスこと「JC-120」の小型版。JC-120譲りの、かっちりした存在感のあるクリーントーンが小音量でもそのまま堪能できる一品。JCの名を冠するものの中では最小サイズですが、それでも幅、奥行きともにそれなりのサイズであり、相当の音量も出ます。現代的な装備などは何も付きませんが、JC-120が全国のスタジオやライブハウスでの定番であるが故に、この小型JCで音作りをしたものを、どこでもそのままJC-120に転用できるのは大きなメリットです。
Roland JC-22

VOX AC30VR

VOX AC30VR

プリ部にディスクリート回路、パワー部に12AX7を採用のハイブリッドアンプ。値段はさほど高いわけではありませんが、最高峰AC30の直系とあって、VOXのイメージそのままの高品質な音色を実現しています。アナログのプリアンプは2チャンネル仕様となっており、VOXらしく粘っこいクリーントーンと、2種のオーバードライブを使い分けることができます。リバーブを装備し、フットスイッチ端子でのチャンネル切替も可能。ライブでの使用も想定されたものとなっています。
VOX AC30VR

Hughes & Kettner Tube Meister 18 Combo

Tube Meister 18 Combo

ヒュース&ケトナーの真空管コンボアンプ。プリ管、パワー管に12AX7、EL84を二本ずつ使用した本格的な設計で、ヒュース&ケトナーらしいエッジの効いたハードドライブサウンドが得られます。外部スピーカーを利用するための出力端子の他、フットスイッチ、エフェクトループなどを装備。パワーソーク機能では最小0.5Wまで出力を落とすことが出来ます。パネルが青く光る同社ならではの仕様はもちろん健在。このシリーズはコンボ、ヘッド、出力違いが数種あり、ラインナップが多岐に渡っています。
Hughes & Kettner Tube Meister 18 Combo

Fender Super Sonic 22

Fender Super Sonic 22

フェンダー社が2010年にリリースしたコンボアンプ。60WのSuper Sonicをダウンサイジングしたこのモデルでは、真空管がプリ部に5本、パワー部に2本と贅沢なフルチューブ仕様となっており、フェンダーらしい美しいクリーントーンから、あまりフェンダーのイメージにないようなハードオーバードライブまでを幅広くカバーしています。紹介している中では価格も最高値のアンプですが、ツアーにさえ耐えうる本格的な仕様は一生ものと言っても過言ではなく、フェンダーブランドに恥じない出来映えです。
Fender Super Sonic 22

小型の真空管アンプヘッドでレコーディングも

真空管を使ったアンプヘッドにも、片手で持ち運べるような小さな製品が昨今増えてきています。5W程度の製品が多いため、ライブでの使用には耐えないものもありますが、家で小さなキャビネットとつないで練習という他、レコーディングに使用することで、シミュレーターとは違う、真空管アンプの生の音が家庭で録音できるという利点があります。もちろん15Wを超えるモデルであれば、ライブで使用可能なものもあります。どのような場所でも自分の音が出したいというのであれば、その辺りを候補に入れてみても良いでしょう。

おすすめの小型真空管アンプヘッド – エレキギター博士

野外でも演奏できる電池駆動モデル

主にストリートミュージシャンに支持されてきたバッテリー駆動のアンプも、各社様々なモデルをラインナップしています。5W程度のものから30Wを越える大出力モデルまで多岐に渡っており、アコースティックギター用のナチュラルな音のものから、歪んだ音にも対応したエレキ用まで様々。ストリートでの演奏から公園での練習まで、用途に合ったものを選んでみてはいかがでしょうか。
電池で動くギターアンプ一覧

ライブで使う

ライブで使用するためにはある程度以上の大出力モデルを選ぶのが前提となります。主に50Wを越えるぐらいのものを好みに応じて選ぶのが良いでしょう。

大出力アンプヘッド

アンプヘッドはコンボアンプに比べると拡張性が高く、軽量であるため運搬が楽なのもポイント。フルチューブアンプの選べる選択肢も多く、自分の出したい音をより追い込めるでしょう。ただ、単体では音が出ないため、キャビネットを自前で揃えないのであれば、ライブハウスやスタジオに置いてあるキャビネットを借りて使う必要があります。

100W以上、大出力のおすすめアンプヘッド – エレキギター博士

こだわりのマイ・コンボアンプ

コンボアンプはスピーカーキャビネットが一体になっているため、出音を自分の機材のみで全て完結させられる上、接続の手間も省けます。アンプヘッドとキャビネットを両方揃えるのに比べると、費用も抑えられることが多く、運搬もかなり楽です。別のスピーカーキャビネットに繋げるSpeaker Outが付いているものであれば、出先でより大きなキャビネットを借りて鳴らすことも可能です。

Roland JC-120

Roland JC-120

このアンプを置いていないスタジオ/ライブハウスを探すほうが難しいくらい、定番中の定番のトランジスタ・アンプ。低音から高域まで、ギターの鳴りをそのまま引き出すナチュラルなトーンが特徴です。
Roland JC-120

Fender USA 65 Twin Reverb
Fender Twin Reverb

Fender 65 Reverbシリーズ

Roland JA-120同様、最もスタンダードなフェンダーのコンボアンプ。
鈴鳴りのクリーントーンは他社の追従を許しません。澄み切った音色を奏でます。スタジオやライブハウスでよく見かける真空管アンプ
《今振り返る》Fenderアンプの系譜

Marshall JVM205C

Marshall JVM205C

マーシャルのフラッグシップモデルにあたるJVMシリーズ。これはそのコンボアンプ版です。フラッグシップだけあって、真空管やスピーカーに一切の妥協がなく、王道のマーシャルサウンドを一台で創出。シリアル、パラレルを切り替えられるエフェクトループから、キャビネット・シミュレーターなど、現代的なアンプに必須の装備もしっかり対応。出力違いとチャンネル数違いで、他にも数種のモデルがラインナップされています。
Marshall JVM205C

Roland Blues Cube Artist

Roland Blues Cube Artist

ソリッドステートでありながら真空管アンプの挙動を再現する、独自のTube Logic Technologyが使われたローランド気鋭の一品。メンテナンスフリーを実現しながら真空管の音色をかなり緻密に追い込んでいるところが最大の特徴で、サウンドの暖かみやピッキングの強弱に合わせて自然に歪んでくる感覚はフルチューブアンプにほぼ遜色ありません。USB端子からのダイレクトアウトなど現代的な装備も搭載。パワーコントロールによって、大出力モデルであっても最小0.5Wまで環境に合わせて出力を変えられるのも大きな強みです。

真空管を搭載せずチューブサウンドを実現:Roland Blues Cubeとは? – エレキギター博士


Laney IRT-60 212

かつてポール・ギルバートが使用していたことで有名なレイニーの大型コンボ。フルチューブ仕様で12インチ2発のスピーカーを搭載し、60W出力です。クリーンからオーバードライブまで3チャンネル仕様になっており、ブーストスイッチをオンにすることで、ハードオーバードライブまでが創出可能。ブリティッシュらしいザクザクとした粗い歪みを持ち、ロックギタリストならば気に入る人は多いでしょう。


現在では安価、小型なアンプでさえもしっかりした音色を持っているものが少なくありません。自分の演奏スタイルに合った良いアンプを選ぶことは、ギターの音色を追求する上での最重要ポイントの一つ。価格帯やルックスなども含めて様々な選択肢がありますが、ぜひその中からお気に入りのひとつを見つけてください。

最終更新日 : 2017/11/01

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