RANDALL THRASHER 50は、世界的に有名なアンプ・テックであるマイク・フォーティン氏が設計した、タイトでハードなアタックが特徴的な2チャンネル・チューブ・アンプヘッドです。ドロップ・チューニングや多弦ギターに向いており、トップ・レベルのゲインと原音のような透明感が表現できる、演奏性の高い一台です。


「CHANNEL 1」は歪みの量や質を細やかに調節できるハイゲイン・チャンネルです。
「LF GAIN」と「HF GAIN」はそれぞれ低音域と高音域を担う周波数選択式のゲイン・コントロールです。「GAIN」ノブでこれらのゲインを含めた総合的なコントロールを行います。
イコライザーは「BASS」、「MIDDLE」、「TREBLE」の3バンド・パッシブ・インタラクティブ・イコライザーで、柔軟な音作りが可能です。
「T.S.S.」スイッチはトーン・コントロール回路の周波数特性を変更する3-WAYトグル・スイッチで、スピーカーの種類や演奏する会場、部屋の大きさに応じて、アンプのサウンドをより適したものにすることができます。


「CHANNEL 2」はクリアーで透明感の高いサウンドが特徴的なクリーン・チャンネルです。
「GAIN」と「VOLUME」はそれぞれ歪み量と音量を調節するノブですが、この2つのバランスにより、煌びやかなクリーン・サウンドやわずかにサチュレートした音色などを作ることができます。
このチャンネルではイコライジングは「BASS」と「TONE」を用いて行います。「BASS」は低域の調節を、「TONE」は低域と高域の両方に作用してサウンドのキャラクターの調節をそれぞれ行います。

「POWER」のセクションのノブは、どちらのチャンネルにも作用します。
「DEPTH」はアンプとスピーカーの低音域をコントロールするノブで、「PRESENCE」は高域のフィードバックをパワー・アンプ部でコントロールするためのノブです。

「CHANNEL」ボタンでこれら2つのチャンネルの切り替えを行います。
「BOOST」スイッチを押すとチャンネル1,2どちらを選択していても音色がブーストされ、ソロなどのリード・プレイに向いた音になります。なお、ブースト量はプリセットされており、ブースト量を調節するノブ等はありません。
また、この2つのボタンは付属のフット・スイッチによってON/OFFを切り替えることも可能です。

「RAW」端子は、アンプが動作している状態のスピーカー端子からタップされたフィルタリングされていない生の信号を出力します。この出力は、他のギター・アンプのパワー・アンプ部への入力（FXループのRETURN部など）に使用するのに向いています。


FXループも搭載されており、通常のFXループと同じくSEND/RETURN端子があるのはもちろんのこと、SEND出力のレベルをコントロールする「S.LEVEL」ノブの装備や、RETURN端子が「SERIES（直列）」と「PARALLEL（並列）」の2種類から選べるなど、便利な機能が備わっています。「PARALLEL」端子を使用してFXループを行うと、オリジナルのドライ・トーンに影響を与えることなく、エフェクトの量をミックスすることができます。


「EMULATED」からは、Randall製の4 × 12スピーカー・キャビネットをトランス・アイソレートで再現したサウンドが出力されます。この出力はアンプをSTANDBYモードにした状態で使用し、フロント・パネルの「MASTER」でレベルを調節します。

「GRND / LIFT」はミキサーやレコーディング・インターフェース、モニターなどの外部機器との接続時のグラウンド・ループによるノイズが発生する場合にONにすることでノイズを防ぐことができます。

また、パワー管のバイアス調整を容易に行うことができる「TESTPOINT」と「BIAS」のセクションも搭載されており、測定器などを使用することで、リペア・ショップに持ち込むことなく自分でバイアスの調整を行うことができます。