Diezel VHXは、高品位なフルプログラマブルDSPの搭載による多彩なエフェクトや機能を備え、アンプ部の回路は100%アナログのチューブ回路で構成されたデジタル・チューブ・アンプです。Diezelの象徴的なサウンドはそのままに、アナログとデジタル、両技術のいいとこ取りと言える一台です。

4インチの液晶ディスプレイは、デジタル系の機材に不慣れな人にも使いやすいよう、アナログのアンプやエフェクターのようにひと目でセッティングや操作方法がわかりやすいような表示形式を採用しています。視認性にも優れており、視界の悪いステージ上での操作性も良好です。

VHXのフロント・パネル

「INPUT」ジャックすぐ右の「PRESET MANAGER」ノブを押し込むとプリセット・マネージャーが開かれ、ノブを回して1~99までのプリセットをスクロールすることができます。プリセットの変更はMIDIや同社製のフット・コントローラー「COLUMBUS」による制御によって行うことも可能です。

中央のディスプレイにはそのセッティングにおけるパラメータが表示され、ディスプレイの左右に配された、斜めに並んだ特徴的な10個のノブを使用し操作を行います。これらのノブは押下/長押し/回転の3つの方法で操作することが可能です。例えば10個のノブのうち一番右上に配置されているノブは回すことで画面のスクロールが行えますが、押下することでミュートのON/OFFを切り替えることができます。

前面にはこれらのノブのほかにマスター・ボリューム、そして従来の真空管アンプと同じく「POWER」、「STANDBY」の2つのスイッチが装備されています。

VHXのバック・パネル

背面はモダンなアンプらしく、MIDI IN/THRUはもちろん、レコーディングに便利なキャビネット・シミュレート機能を使用したXLR出力「REC OUT」やヘッドフォン・アウト、PCと接続することでアップデートやプリセットのバックアップが行えるUSB端子など、豊富な入出力系統が搭載されています。
IRベースのキャビネット・シミュレーターは2種類のスピーカー、4種類のマイクから選択することができ、本体の画面上でマイキングの一を調節することも可能です。

同社製のMIDIスイッチャー/プログラム・セレクター「COLUMBUS」を接続する端子も備えており、接続することでより高い操作性が期待できます。
またBluetooth Low Energy MIDI-BLEを利用した、無線でのMIDIコントロールにも対応しており、配線の煩雑さからあなたを解放します。
背面のFXループは前面のものとは違い、一般的なアンプのようにプリアンプ部とパワーアンプの間に配置されています。プリアンプ部の後段に配置されているため、DSPエフェクト・チェーン内のどこにでもループを配置することが可能であるほか、それぞれ独立したSEND、RETURN、MIXのレベルの調節が可能です。

30種類の基本サウンド、高品位な10種類のエフェクト

プリアンプ部のサウンドはGREEN（クリーン）、YELLOW（クランチ）、BLUE（ディストーション）、RED（スーパー・ディストーション）の4chから選択することが可能で、4ch全てが100%アナログのチューブ回路です。それぞれのチャンネルにおいて、BRIGHT（GREEN、YELLOW選択時）、SHAPE（3ポジション/BLUE、RED選択時）、VOICE（3ポジション）など、キャラクターを変化させる設定が用意されており、これらの組み合わせにより合計30種類の基本サウンドを出力することができます。

フルプログラマブルDSPの内蔵により、最大6つのエフェクトの同時使用が可能です。用意されているエフェクトはNOISE GATE、COMPRESSOR、PITCH SHIFT、DELAY、CHORUS、FLANGER、PHASER、TREMOLO、REVERB、EQUALIZERの10種類で、ギターの演奏にあたって必要なエフェクトを網羅しています。

その他の機能

4~16Ωのスピーカーに対応している本機には、パワー・アンプの自動オフ機能が搭載されており、本体の電源が入った状態でもスピーカー・ケーブルの抜き差しが可能です。これによりスピーカー・キャビネットを交換する際の手間が減るほか、うっかり抜いてしまった場合の故障も防ぐことができます。

USBケーブルを使用してパソコンに接続し、ファームウェアのアップデートやプリセットのバックアップを行うことも可能です。