Fender Mustang Microは、Fenderの人気小型アンプ「Mustang」シリーズの中でも最小の超小型ポータブル・ヘッドホン・アンプです。「Mustang」シリーズのプリセットを小さな筐体に搭載し、場所を選ばずどこでも本格的なサウンドを楽しむことができます。

ハンディサイズのコンパクトな筐体をギターに直接取り付け、直接ヘッドフォンやイヤホンを接続して使用します。プラグの根元の長さにも余裕があり、角度を変えることもできる（270°）ため、レスポールのようにジャックが挿入しやすいギターはもちろん、ストラトキャスターやテレキャスターのように、ジャックを挿す部分が落ち窪んでいるギターにも問題なく使用できます。

本体前面に備え付けられたボリューム・ノブは大きめに作られており、通常のアンプと変わらない操作性を確保しています。側面には4つのスイッチが配置されており、それぞれに左からAMP（モデル・アンプ）、EQ（イコライザ）、EFFECTS（エフェクト）、MODIFY（選択しているエフェクト毎に割り当てられたパラメータ）の選択/調整機能が割り当てられています。また、各スイッチ上のLEDの色により、現在どのモデル・アンプを使用しているか、どのエフェクトが適用されているか等がわかります。

充電式のリチウム電池を内蔵しており、連続で4時間の運用が可能。音量を小さく絞れば6時間まで使用することができます。一度の練習には十分すぎる保ち時間です。充電は下部に備え付けられたUSB Type-C端子に接続して行います。またこの端子はレコーディングの出力や、ファームウェアのアップデートにも使用されます。

Mustang Micro独自のDSP技術により、スタンドアローンでの演奏が可能。他の機器に繋げたりする必要はなく、本機にギターとヘッドフォンを繋ぐだけでプレイができます。本機にはMustang GTXにて高い評価を受けた12種類のアンプ・モデルが搭載。Fenderの十八番であるクラシカルなツイード・アンプや煌びやかなクリーン・サウンドはもちろん、モダンなシーンにも対応できるハイゲイン・アンプまで、様々なプレイヤーのニーズに合致したモデルが小さいボディに詰め込まれています。

搭載アンプモデル

以下は搭載されているモデル・アンプとそのモデル・アンプを選択しているときの「AMP」スイッチ上のLEDの色、またモデルにしたと推測される実機のアンプの一覧です。

• （白）‘65 Twin + Comp：1965年製 Fender Twin Reverb（ブラック・フェイス）
• （赤）‘65 Deluxe：1965年製 Fender Deluxe Reverb（ブラック・フェイス）
• （緑）‘57 Twin：1957年製 Fender Twin-Amp（ツイード）
• （青）‘60s British：VOX AC30
• （黄）‘65 Deluxe + Greenbox：1965年製 Fender Deluxe ReverbとIbanez TS808
• （紫）‘70s British：Marshall Super Lead
• （濃緑）‘90s American：Mesa Boogie Dual Rectifier
• （オレンジ）Bassbreaker 15：Fender BassBreaker（15W）
• （ピンク）FBE-100：Friedman BE-100 BEチャンネル
• （黄緑）Metal 2000：EVH 5150III
• （紺）Uber：Bogner Uberschall リードチャンネル
• （水色）Studio Preamp：スタジオのミキシング・コンソールに繋いだようなクリーンなサウンド。

エフェクトも豊富に搭載

アンプ・モデルだけでなく、エフェクトの種類も豊富。従来このサイズでこれだけのアンプ・モデルに加えエフェクトまで搭載していたポータブル・アンプは数多くありません。オーバードライブやモジュレーション系のエフェクト、コンプレッサーやステレオディレイ、リバーブなど、主要なエフェクトはおおよそカバーされています。またこれらのエフェクトは「MODIFY」スイッチによりパラメータを変更することも可能。

以下が搭載されているエフェクトとその内容、各エフェクトを選択しているときの「EFFECTS」スイッチ上のLEDの色、そしてそのエフェクトを選択しているときに「MODIFY」スイッチで操作できるパラメータの一覧です。

• （白）Hall Reverb – リバーブのレベル：映画館ほどの大きさのホールでの、ブライトなリバーブ・サウンド。
• （赤）Spring Reverb – リバーブのレベル：60年代フェンダー・アンプに搭載されていたアイコニックなスプリング・リバーブ。
• （緑）Modulated Reverb – リバーブのレベル：大規模なホールで得られる、明るく強烈なリバーブ。
• （青）Chorus & Reverb – コーラスの深さ：サイン波を用いたコーラスと、ナイト・クラブのような広い部屋をイメージした暖かいリバーブ。
• （黄）Flanger & Reverb – フランジャーの深さ：三角波を利用した独特なフランジャーと、ナイト・クラブのような広い部屋をイメージした暖かいリバーブ。
• （紫）Vintage Tremolo & Reverb – トレモロのスピード：フェンダーらしい暖かみのある光学式トレモロと、60年代フェンダー・アンプに搭載されていたアイコニックなスプリング・リバーブ。
• （濃緑）Vibratone & Reverb – 揺れのスピード：1967~72年にかけてFenderから生産されていたレスリー・スピーカー「Vibratone」と、ナイト・クラブのような広い部屋をイメージした暖かいリバーブ。
• （オレンジ）Harmonic Tremolo & Reverb – トレモロのスピード：60年代のいくつかのフェンダー・アンプに搭載されていたハーモニック・トレモロと、ナイト・クラブのような広い部屋をイメージした暖かいリバーブ。
• （ピンク）Slapback Delay & Reverb – ディレイのレベル：ロカビリーなどで用いられるディレイ・タイムの短いクラシカルなディレイと、ナイト・クラブのような広い部屋をイメージした暖かいリバーブ。
• （黄緑）Tape Delay & Reverb – ディレイのレベル： EchoplexのEPシリーズのような不安定な揺れを伴ったディレイと、小さな会場を想定した落ち着いた響きのリバーブ。
• （紺）Chorus + Delay + Reverb – ディレイのレベル：サイン波を用いてつくられたスムーズでまろやかなコーラスとシンプルなディレイ、大きなホールで得られるような明るく強力なリバーブ。
• （水色）2290 Delay & Reverb – ディレイ・タイム：TC Electronic 2290 Digital Delayを再現したクリアな原音と多彩なサウンドが特徴のディレイと、ナイト・クラブのような広い部屋をイメージした暖かいリバーブ。

また本機はBluetooth接続にも対応しており、スマートフォンやパソコンに接続し、お気に入りの音楽やバッキング・トラック、教則ビデオを再生しながらの練習も可能です。BluetoothのON/OFFは、側面のスイッチで切り替え可能です。